優位なものによる威嚇外交(いかくがいこう)

2025年4月21日(月)
最近は国際情勢に関するニュースが後を絶ちません。それも、自らの強い立場を利用した威嚇的(いかくてき)な外交や暴力・戦争の話しばかりが、何かタガが外れたように流れてきます。

過去の時代の、土地に根差した封建国家や奴隷制社会の国家、武力で地域を統一した国家などは、他国から土地を奪う、財産を奪う、人を奪うといった形で、 「富は外から奪うもの」 だったと思います。それがこの資本主義に根差した現代の国家は、 「富は自ら生産するもの」 となったはずです。自らも痛い思いをしてまで外に向かって富を奪いに行かずとも、貨幣の制度を整え、国家間で通商を行い、互いに依存し合いながら経済を回して行けば富の恩恵にあずかることが出来るというのが、人間が獲得した一つの知恵だったはずです。

では何故現代の世界でも威嚇外交が絶えないのか? しかもそれは何故、圧倒的な富を持つ強者が富を持たない弱者に対して容赦なく行うという形で常態化されるのか? それはやはり現代の威嚇外交が、外に置かれた富を奪いに行くという理由からなされるのではなく、その国の中にある不都合を外に転化したり、特にその国の中で強い権力を持つものが自らの保身のために外を利用したりと、そういう理由で生じてくるものだからではないでしょうか。

トランプ外交はその典型だと思います。アメリカ国内での支持者、特に岩盤支持層と呼ばれる支持者たちの支持を取り付け繋ぎ留めるために、そしてそれを自らの支持率と次の中間選挙での得票につなげていくために、何を言えば、何をやれば、何をどのようにどのタイミングで発信すれば良いか、それだけが、政策の判断基準となっているかのようです。えげつないとしか言いようがありません。

ロシアのプーチン大統領やイスラエルのネタニヤフ首相も同様かと思います。それぞれ外に攻め込むことを続けていないと、中での政権が持ちません。外に目的のない外への威嚇は、終わりを見つけることが出来ず果てしなく続くものです。ウクライナとガザの不幸は極限にまで達します。

この3人とも選挙を通じて選ばれた国の指導者なのかもしれませんが、やっていることは民主主義の悪用にしか見えません。本来はそれを止めるのも、変えるのも、民主主義の役割であるはずですが、こんな時どうすれば良いのか、民主主義自身がまだ答えを見つけられていないようです。

そしてもう一つの大国は中国です。中国もまた、したたかな威嚇外交が絶えませんが、こちらには民主主義とは異なる別の要因に基づいた理由があるように思います。そのあたりはまた次回、書きたいと思います。

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